この場合が厄介です。
視覚障害者が単独で得られる手がかりはありません。
単独でできるのは、各ドキュメントを読み直し、各プラグインの設定に問題がないかを確認することぐらいです。
しかし、もしだれかの眼を借りられるなら、下記のような原因究明を、順にすればいいでしょう。
A-0.起動の途中で止まる
ISOイメージの作成、または、ライティングソフトを使ってのCDR作成に失敗しています。
ただ、そればかりでなく、必要なプラグインを組み込んでいないと、うまく起動しない場合があるようです。ここで必要なというのは、このハウツーで取り上げたプラグインでなく、PE Builderにデフォルトで組み込まれているプラグイン類です。デフォルトで組み込む設定だったものが、不注意から組み込まない設定(Enabled欄がNo)に変わってしまっていないか、チェックしてください。
A-1.起動後、デスクトップはちゃんと出ているか?
デスクトップの背景画像には、Nu2という文字が中央にある、紺色の画像が使われています。
起動直後の解像度は600X480と低いですが、マイドキュメントやマイコンピュータなど、いくつかのアイコンが並び、下部にはスタートメニューボタンがあるタスクバーが表示されます。
もしそうした画面になっていない、あるいはWindowsキーでスタートメニューが開かないなら、Explorer&IEプラグインの組み込みがおかしいです。
A-2.起動時にエラーメッセージが出る
よく出るのは、「X:\PROGRAMS\IBM\MDR2\MDR2.exeが見つからない」という意味のメッセージです。
これはデスクトップリーダーが見つからないといっているわけですが、デスクトップリーダーの有無ではなく、サウンド機能や音声エンジンの初期化が遅れ、それらの準備が整っていない段階で、デスクトップリーダーが起動してしまうのが原因であることが多いです。
その場合は、サウンドや音声エンジンをちゃんと動作するようにすれば解消します。
サウンドなどが正常なのに同じエラーメッセージが出る場合は、DelayedStartupの遅延時間を長くする必要があります。
スクリーンリーダーを組み込むを参考に、DelyaedStartup.iniのDelayedの値を大きくしてみてください。
もうひとつよく出るのは、WindowsがCDROMの挿入を要求するメッセージです。
(これが出ると、そこでサウンドの処理が止まります。そのため、結果として上の「X:\PROGRAMS\IBM\MDR2\MDR2.exeが見つからない」というエラーメッセージも出るはずです。)
このメッセージは、「ドライバ自動インストール」プラグインが正常に働いていることを示します。しかし、必要なサウンドドライバファイルが足らないのです。そこで、Windowsが、足らないファイルをCDROMから読み取ろうとしようとして出すわけです。このことは、サウンドドライバの集め方が不十分であることを示しています。
自分のマシンを調べ、必要なサウンドドライバをもう一度、確認する必要があります。
B-1.i386\MediaディレクトリにMIDIやWAVEファイルはあるか?
BartPEを立ち上げたCDROMドライブを仮にMとすると、M:\i386が、通常のWindowsディレクトリに相当します。Enable Soundプラグインは、そこにMEDIAディレクトリを作り、MIDIやWAVEファイルをおきます。それがないなら、EnableSoundの組み込みそのものができていないことになります。
B-2.そのMIDIやWAVEファイルは鳴るか?
エクスプローラから、MIDI,WAVファイルをダブルクリックしたらどうなるかを調べます。
Media Playerが立ち上がり、音が鳴ったら、Sound系の組み込みは成功しています。SAPI、音声合成エンジン、デスクトップリーダーの組み込みを疑わなければなりません。
B-3.MIDIやWAVEファイルが鳴らなかったら・・・
デスクトップの「マイコンピュータ」を右クリックしてあらわれるメニューから、「管理」→「デバイスマネージャー」を開いてください。
そのツリービューの「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」の下位をみてください。本来のXPにあった、会社名を冠した長い項目は表示されていますか。表示されていたら、Enable Soundも、ドライバの自動インストールも成功しています。DirectX9bの組み込みを疑わなければなりません。
表示されていないとき、ツリービューに、?マークが付いた「マルチメディアオーディオデバイス」という項目が存在するはずです。それが存在しないなら、Enable SoundもしくはDevice Manager Catalogの組み込みがおかしいです。
存在していたら、それを右クリックしてあらわれるメニューから「ドライバの更新」を実行してください。ハードウェアの更新ウィザードが出現するはずです。そしてドライバの更新が成功し、?マークが付いた「マルチメディアオーディオデバイス」が消え、会社名を冠した長い項目が、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」の下位に現れたら、今度は、MIDI,WAVEが鳴るはずです。テストしてみてください。この場合、「ドライバの自動インストール」プラグインがうまくいっていません。
ドライバの更新に失敗する場合は、Enable Soundにおけるドライバ類の集め方が不完全である可能性が強いです。
C.サウンドは機能しているが音声が出ないとき
拙作SARIまたはClipReaderを組み込んでBartPEを作ってみてください。
そしてSARI、ClipReaderの「音声機能の設定」を実行します。このときなんらかのエラーメッセージが出たら、SAPIの組み込みがうまくいっていないと思われます。
エラーメッセージが出ない場合、「音声変更」ボタンからあらわれる音声一覧に、ProTALKERが表示されているかどうか、表示されていたら、「音声テスト」で声がちゃんと出るかどうかを調べてください。
これらがうまくいっていないときは、IBMVoicesプラグインの組み込みに問題があると思われます。
D.音声は機能しているが、デスクトップリーダーが話さないとき
スタートメニューに「MENU AND DIALOG READER」という項目はありますか。プラグイン作成時にスタートメニューに登録しないように設定した場合は別ですが、そうでなければ、MDR.infプラグインの組み込みがうまくいっていません。
メニューが存在するならそれを実行してみてください。
もしそれでデスクトップリーダーが起動し、声を出したら、デスクトップリーダーの自動起動がうまくいっていないことになります。
スタートメニューからのデスクトップリーダーの起動に失敗する場合、CDドライブを仮にMとして、M:\Programs
\IBM\MDR2というフォルダは存在しますか。そしてそこにMDR2.exeは存在していますか。これらがないときは、やはりMDR.infの組み込みで問題が起きています。
それらが存在していたら、mdr2.exeを直接実行してみてください。デスクトップリーダーは起動しませんか。起動して正常に動作したら、スタートメニューへの登録が失敗していることになります。
mdr2.exeが存在して、起動に失敗するときは、デスクトップリーダーがなんらかのエラーメッセージを出すはずです。それを見てください。
E.デスクトップリーダーが自動起動しないとき
スタートメニューの「スタートアップ」に「DELAYEDSTARTUP」は登録されていますか。
また、起動CDROMのドライブをMとして、M:\Programs\DelayedStartupディレクトリに、DelayedStarup.exeとDelayedStartyp.iniは存在しますか。
これらがおかしいときは、DelayedStartup.infプラグインの組み込みに失敗しています。
これらが存在してうまくいかないときは、DelayedStartup.iniの中身を見てください。
[Group1]
Delayed=90000
;Program0="X:\PROGRAMS\IBM\MDR2\MDR2.exe"
Program0="B:\MDR2\MDR2.exe"
のようになっているでしょうか。
デフォルトではMDRはRAMディスクに載せるようにしています。
もしメモリ容量が少ないなどの理由で、RAMディスクに載せないときは、ここはコメント行を変更して、
Program0="X:\PROGRAMS\IBM\MDR2\MDR2.exe"
;Program0="B:\MDR2\MDR2.exe"
に変えなければなりません。
なをCDROMドライブをMと仮定すると、X:\BartPEという、その双子のようなドライブが存在すると思います。