システムのバックアップ(1)-Drive Image 2002
---BartPE実用編---

Drive Image2002は、PowerQuest社のバックアップツールです。(PowerQuest社は2004年にSymantec社に買収されました。)
システムをバックアップしたり、リストアするには、DOSを使わなければならなかったので、そのままでは視覚障害者には使いにくいところがありました。
しかし、これをBartPEに組み込み、BartPE上から使うことで、ほとんど完全に音声化された状態で、システムのバックアップやリストアができるようになります。ユーザーインターフェースが標準的なコントロールで構成されているので、MDRがたいてい読み上げるのも好都合です。



■プラグインの入手
Drive Image 2002(以下DI2002と略します)のプラグインはいくつか存在するようですが、基本的なところは同じです。
ここでは、

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/4686/pdi2k2.html

にあるLexus-Jさんの配布を使わしてもらいましょう。
必要なファイルを集めてくれるツールがついているので、手間がかかりません。(もちろん、DI2002がインストールされていなければなりませんが。)

ZIPで圧縮されています。
ダウンロードしたらBartPEのPluginディレクトリを指定して、ディレクトリ付きで解凍してください。
DI2002というサブディレクトリが生成され、そこへファイルが展開されます。
展開されたファイル中にDiCopyPE.exeというプログラムがあります。これを実行すると必要なファイルをサブディレクトリに集めてくれます。ただ、このプログラムはVBで作られているので、VB用のランタイムライブラリがマシンにインストールされていなければなりません。なければ別にインストールしてください。

準備はそれだけです。
後はBartPEのイメージを作り、起動ディスクを作成するだけです。
■BartPE上でDI2002を起動する
上記のプラグインは、エクスプローラのスタートメニューには登録しません。
Nu2メニューに登録します。NU2メニューの出し方は、
「NU2メニューを使う」に説明があります。BartPE上では、DI2002はNU2メニューから起動してください。「Programs」→「PowerQuest」→「DriveImage」です。
あるいは、X:\Programs\PowerQuest\DriveImageにある実行ファイルを直接、実行してもいいでしょう。

■バックアップの実行
BartPE上から、Drive Image 2002を起動しているので、HDD上のメインシステムは、一般的なデータドライブとほとんど変わらない状態になっています。普通のバックアップやリストア処理が行えます。
DI2002の使い方には、あらかじめ練習しておくといいでしょう。
ここでは概略だけ書きます。

[バックアップ]
(1)「イメージの作成」(ALT+I)を選びます。
(2)「イメージ作成」という画面になり、その概要という部分が表示されています。
(3)ALT+Dで「ドライブの選択」を実行します。
(4)ドライブの一覧がリストビューで表示される画面になります。
 このリストビューはチェックボックス付きです。各ドライブが項目になっており、それぞれチェックできるようになっています。
 残念ですが、MDRではここのチェックの有無を読み上げません。ドライブ文字だけを読み上げます。
 デフォルトではまったくチェックされていない状態なので、目的のパーティションを選択し、スペースキーを押します。それでチェックがつきます。
(5)ALT+Eで「保存先を選択」を実行します。
 リストビューでドライブを選び、「参照」ボタン(ALT+B)で、イメージファイル名を指定します。
(6)ALT+Fで「完了」ボタンを実行します。
(7)「イメージの作成」というウィンドウがでて、

「ドライブM:のイメージを作成し、ディスクイメージファイルE:\Temp2\w98DI2002.pqiにデータを書き込む準備が完了しました」

 のような感じで確認メッセージが出ます。
 ここで、リストビューのチェックが間違っていなかったかなどを確認できます。
 もし間違っていたら、「いいえ」でキャンセルし、ALT+Dでドライブの選択をやりなおしてください。  「はい」で、バックアップが始まります。
 バックアップが終了したら、「イメージの作成」「イメージの復元」というボタンがある初期画面に戻ります。
■リストアの実行
DI2002を起動したら、次の手順でリストアを行います。

[リストア]
(1)「イメージの復元」(ALT+R)を選びます。
(2)「イメージの復元」という画面になり、その概要という部分が表示されています。
(3)ALT+Iで「イメージファイルの選択」を実行します。
(4)「参照」ボタン(ALT+B)でイメージファイルを指定します。
(5)ALT+Eで「復元先を選択」を実行します。
(6)「元の場所に復元」というチェックボックスがあるので、元のパーティションに復元するときは、これをチェックすればいいです。
 そうでないときは、リストで復元先のパーティションを選択します。
(7)ALT+Fで「完了」ボタンを実行すると復元がはじまります。

なお、Windows95/98をリストアしたときは、リストア後に、システム転送が必要になるかもしれません。
■実行時の注意
DriveImageだけでなく、同じPowerQuest社のV2i Protectorでもそうなのですが、一部のリムーバルデバイスと相性が悪いようです。
筆者の環境では、USB接続のメモリスティックを装着していると、リストア時にメモリエラーが出て、実行できません。
V2iのエラーについてですが、PowerQuestのサポート、

http://www.netjapan.co.jp/FAQ/PQ_error/v2i_error/EBAB/ebab001a.html

に説明があります。
(DI2002では、このエラーは処理されておらず、直接のメモリエラーになります。)